開発記録(第16回)。AI に日本株の売買判断をさせる投資システム investTool を個人で開発しています。全体像は目次記事にまとめています。

- 本番と同じ量の分析を
claude -pで4回動かすと、1回は47〜110秒、週の枠は4回で約1ポイントでした - 平日毎日と週末の振り返りを合わせても、週の枠の2〜3%と見積もれます
- 同じ枠を使う開発の会話のほうが、ずっと多く枠を使っていました
動作環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約 | Claude Pro |
| 実行 | Claude Code 2.1.282 の claude -p(非対話で1回起動して終了) |
| モデル | Claude Opus 5.5、思考レベル medium |
| 実施日 | 2026年9月26日の深夜(夜のジョブが終わった後) |
やりたかったこと
investTool は、次の段階で AI の判断を加えます。平日の夜、ルールが選んだ候補と保有中の銘柄を AI に点検させ、見送るか、数量を減らすかなどを決めさせる計画です。
AI は Claude Code を claude -p でジョブから起動し、API キーではなく Claude Pro の契約で動かします。心配だったのは、毎晩動かして枠が足りるかです。枠が切れると、その日は AI なしで進むことになり、比べたい「AI あり」の記録に穴が空きます。
Pro の枠と、測り方
調べると、Pro の枠には2段ありました。
| 枠 | 内容 |
|---|---|
| 5時間の枠 | 5時間ごとに回復する |
| 週の枠 | 週ごとに回復する |
どちらも、claude.ai のチャット、Claude Code での開発、claude -p の自動実行で同じ枠を共有します。AI の自動実行が枠を使いすぎると、開発のほうが止まります。
枠の残りは、Claude Code の /usage で見られます。非対話でも読めました。
MSYS_NO_PATHCONV=1 claude -p "/usage"
Current session: 6% used · resets …
Current week (all models): 27% used · resets …
Windows の Git Bash では、/usage のような / で始まる引数がファイルのパス(C:/Program Files/Git/usage)に変えられてしまいます。MSYS_NO_PATHCONV=1 を付けて止めています。
claude -p --output-format json の出力にも、所要時間・ターン数・トークン数・費用の見積もり(total_cost_usd)が入ります。ただ、費用は見積もりで、Pro の枠の何%にあたるかは分かりません。そこで、実行の前後に /usage を読み、その差で枠の消費を測りました。
何を動かしたか
本番の仕組み(AI がデータを取りに行くためのツールと、分析の手順書)はまだ作っていません。そこで、本番と同じ量の仕事をさせる代わりのものを用意しました。

| 本番 | 実測での代わり |
|---|---|
| 入力パック(その日の候補と保有) | 同じ項目の JSON を、DB から読み取り専用で作る |
| AI がツールで取りに行く情報 | 銘柄ごとの資料をファイルで置き、AI に必要な分だけ読ませる |
| 分析の手順書 | 同じ7段階(相場環境 → ポートフォリオ → 保有の見直し → 候補の点検 → 強気・弱気 → まとめ → 自己点検)を書いた指示 |
| 出力の形式 | 同じ JSON スキーマを --json-schema で渡す |
起動のコマンドは次のとおりです。ファイルの読み取り以外はさせません。
claude -p "$PROMPT" --output-format json --json-schema "$SCHEMA" \
--allowedTools "Read" --permission-mode dontAsk --permission-prompts none
結果
| 回 | 内容 | 所要時間 | ターン数 | 5時間の枠 | 週の枠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 候補3件+保有2件 | 94秒 | 9 | 6% → 8% | 27% → 27% |
| 2 | 同じ内容を Sonnet で | 110秒 | 14 | 8% → 12% | 27% → 28% |
| 3 | 候補8件+保有2件 | 80秒 | 15 | 12% → 13% | 28% → 28% |
| 4 | 週末の振り返り | 47秒 | 7 | 13% → 15% | 28% → 28% |
4回とも、出力は指定した JSON スキーマを満たしていました。費用の見積もりは1回 $0.56〜0.77 です。
週の枠は、4回の合計で約1ポイントしか動いていません。1回 0.3% 前後とすると、平日の毎晩5回と週末の振り返りを合わせても、週の枠の2〜3%です。

想定と違ったこと
開発の会話のほうが重かった。 実測を始める前、設計と記事の作業をしていた会話だけで、5時間の枠が 3% から 6% に増えていました。週の 27% も、ほぼ開発の作業です。長い会話は、1回の送信ごとにそれまでのやり取りを読み直すので、枠を多く使います。
モデルを指定しないと Opus が使われた。 何も指定せずに起動すると、Claude Opus 5.5 で動いていました。Sonnet を指定した回は、ターン数が 9 から 14 に増え、読み込んだ量も増えて、5時間の枠の消費は少なくなりませんでした。
思考レベルは、個人の設定と環境変数で決まっていた。 調べると、個人の設定ファイルでは全体の既定が high、Opus 5.5 のときだけ medium でした。さらに、実測を動かした環境には CLAUDE_EFFORT=medium が入っていました。本番はタスクスケジューラから起動するので、この環境変数は引き継がれません。
決めたこと
判断の基準は、実測の前に決めておきました。
| 見るもの | 基準 | 結果 |
|---|---|---|
| 週の枠の見積もり | 40% 以下なら計画どおり | 2〜3% |
| 1回の所要時間 | 最大12分以下なら、タイムアウト20分のまま | 最大110秒 |
40% としたのは、残りを開発の作業に回すためです。
結果は計画どおりで進める側でした。AI には1日に候補3件と保有を点検させ、分析を担当ごとの小さな AI に分けず、1回の起動で7段階を順に演じさせます。
モデルと思考レベルは、個人の設定に任せず investTool の設定で持つことにしました。モデルは opus のような別名ではなく、版まで含めた ID(claude-opus-5-5)で書きます。別名だと、新しいモデルが出た日に黙って切り替わるためです。「AI あり」と「AI なし」を3か月かけて比べる途中でモデルが替わると、成績の差がモデルの差なのか分からなくなります。
claude -p "$PROMPT" --model claude-opus-5-5 --effort medium ...
この実測の資料は、本番より軽いものです。本番では、AI がツールで情報を取りに行く分と、手順書を読む分が加わります。それでも、基準の40%までは10倍以上の開きがあります。残りの実測は、別の日と時間帯に数回行ってばらつきを見ます。
実際にどう使っているか
実行のたびに、使ったモデル・思考レベル・所要時間・ターン数・費用の見積もりを実行記録に残す設計にしました。モデルを替えるときは、替えた日と理由を残し、新しいモデルで同じ実測を数回してから替えます。
AI を組み込む実装は、いま続けている仮想売買の稼働確認(10営業日)が終わってから始めます。
この記事の内容に近い書籍
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- 『Claude CodeによるAI駆動開発入門』(平川知秀、Kindle版)
Claude Code の使い方の入門書です。この記事で使ったclaude -pなどの前提になります - 『実践Claude Code入門』(西見公宏、吉田真吾、大嶋勇樹、Kindle版)
Claude Code を開発に使うときの考え方の本です
前回:AI に書かせたブログ記事から「AI っぽさ」を減らす|5つの方針を試して、採用したもの
次回:段階4(AI の判断を加える)の実装の記録(準備中)
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