ネット証券の種類と違い|手数料・取扱商品・データの取り出しやすさで整理する

ネット証券の種類と違い|手数料・取扱商品・データの取り出しやすさで整理する 解説

解説記事です。筆者は、AI に日本株の売買判断をさせる投資システム investTool を個人で開発していて、その途中で調べたことを書いています。全体像は目次記事にまとめています。

この記事の要点
  • ネット証券は、総合型・ツール/API 型・スマホ型の3つに分けると見比べやすくなります。対面の証券会社にもネット取引があります
  • 多くの人にとっての違いは手数料と取扱商品です。国内株の売買手数料は、条件付きで0円の会社から、約定代金に応じてかかる会社まであります
  • プログラムで売買や記録を扱うなら、取引データをどこまで取り出せるか(画面・CSV・Excel 連携・API)で、選べる会社がかなり絞られます

ネット証券にはどんな種類があるか

ネット証券の3つの型と、対面の証券会社のネット取引。総合型は取扱商品が広い、ツール・API 型はプログラムからの発注やデータ取得に対応、スマホ型は少額・単元未満からの取引が中心

型 特徴 向いている使い方 例
総合型 国内株・米国株・投資信託・NISA・債券などを幅広く扱う。取引ツールもある 1つの口座で一通りそろえたい SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券
ツール/API 型 高機能な取引ツールや、プログラムから発注できる API・Excel 連携に力を入れている 売買のルールを自分で組んで動かしたい 三菱UFJ eスマート証券、立花証券 e支店、SBIネオトレード証券、インタラクティブ・ブローカーズ証券
スマホ型 アプリで完結し、1株や金額指定で少額から買える まず少額で始めたい スマホ向けの証券サービス各社
対面の証券会社のネット取引 担当者に相談できる。ネット取引の手数料は、ネット証券より高めのことが多い 相談しながら取引したい 大手の総合証券

境目ははっきりしていません。総合型の会社が Excel 連携を出していたり、ツール/API 型の会社が投資信託を扱っていたりします。

何を基準に見ればよいか

1. 手数料

国内株の売買手数料の仕組みは、会社によって違います。

仕組み 内容
条件付きで0円 SBI証券と楽天証券は、2023年秋から、条件(取引報告書などの電子交付の設定、手数料のコースの選択など)を満たすと、オンラインの国内株の売買手数料を0円にしています
1日定額制 1日の約定代金の合計で手数料が決まる。一定額まで0円の会社もある
1回ごと 注文1回の約定代金に応じてかかる

手数料が0円でも、売買のたびにかかるコストがなくなるわけではありません。「よくある誤解」で触れます。

2. 取扱商品

国内株だけを売買するなら、ネット証券どうしで大きな差はありません。差が出るのは次の商品です。

商品 違いが出るところ
米国株 取り扱う銘柄の数、為替の手数料、取引できる時間
投資信託 本数、積立の方法(クレジットカードでの積立など)
NISA NISA の口座は1人1つ(年単位で金融機関を変えられる)。どこで開くかで、NISA で買える商品が決まる
単元未満株 1株から買えるか、そのときの手数料
信用取引・先物 扱いの有無、金利や貸株料

3. データの取り出しやすさ(プログラムで扱う場合)

自分のプログラムで売買を判断したり、取引の記録を集計したりするなら、口座の情報をどこまで機械的に取り出せるかで差が出ます。段階は4つです。

取引データの取り出しやすさの4段階。画面で見るだけ、CSV のダウンロード、Excel 連携、API の順に、プログラムから扱いやすくなる

段階 できること 主な例(2026年9月時点)
1. 画面で見るだけ 保有や約定をブラウザ・アプリで確認する すべての会社
2. CSV のダウンロード 取引の履歴や保有の一覧をファイルで保存し、表計算やプログラムで読み込む 多くの会社(項目や文字コードは会社ごとに違う)
3. Excel 連携 Excel から株価や保有を読む。会社によっては注文も出せる 楽天証券の「マーケットスピード II RSS」、SBIネオトレード証券の「ネオトレ API for Excel」
4. API 自分のプログラムから、株価の取得や発注を直接行う 三菱UFJ eスマート証券の「kabuステーション API」、立花証券 e支店の API、インタラクティブ・ブローカーズ証券の API

API の使い方の条件も、会社ごとに違います。

API 条件の例
kabuステーション API 専用の取引ツール「kabuステーション」の上位プラン(Professional 以上)で使える。ツールを起動してログインしていることが前提
立花証券 e支店の API 口座があれば無料。国内株(現物・信用)のみ。取引時間中に株価を頻繁に取りに行くことは控えるよう案内されている
注意

大手の総合型でも、個人が自由に使える発注用の API を公開していない会社があります。SBI証券は、国内株の発注用 API を個人向けに広く公開していません(先物・オプション向けなど、限られたものはあります)。

このサイトの場合

investTool は、売買の判断と注文の指示までを行います。実際の発注は人が手で行います。使っている口座に発注用の API がないことが、理由の一つです。

注文の指示は、平日の21:15に investTool からチャットに届きます。発注するかどうかを翌営業日の9:00までに回答し、証券会社で注文を出し、約定したら結果を手で入力しています。

9:00を過ぎると回答できない作りなので、回答を忘れたまま発注すると、その取引は記録から抜けます。API のある口座なら、約定の取り込みも発注も自動にできます。investTool では、将来の検討事項として残しています。

よくある誤解

「手数料0円なら、取引のコストはかからない」

売買手数料のほかに、買値と売値の差(板の厚さで変わる)、信用取引の金利、米国株の為替手数料がかかります。0円になる条件(電子交付の設定など)を満たしていなければ、手数料もかかります。

「API がある口座なら、プログラムを置いておけば放っておける」

API を使うには、取引ツールを起動したままにしておく必要がある場合があります。通信の障害やツールの更新で止まることもあり、止まっている間の損失は利用者が負います。

「API で取った株価は、自由に使ってよい」

証券会社の API で取れる株価は、利用規約で個人の利用に限られていることが多く、ブログなどで公開できない場合があります。公開するなら、データの利用条件を別に確かめます。

「証券口座は1つに絞らなければならない」

証券口座は複数の会社で開けます。1人1つに限られるのは NISA の口座です。

では、自分の目的にはどれが合うのか

投資システムを自作する立場から「証券口座をどう選んだか」は、別の記事にまとめる予定です(準備中)。

参考(2026年9月25日に確認)


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